連載コラム「トップホールディングス誕生物語」

連載「トップホールディングス誕生物語」COLUMN

1964年に父が創業したトップ産業を引き継いで、2代目として歩んできた歴史をトップグループ3社設立とともに振り返り、2023年にグループを統括するホールディングス会社設立までを記した連載コラム「トップホールディングス誕生物語」。 多様な時代背景の中で生きた激動の歩みとトップグループの成り立ちが、お読みいただく皆様の未来につながることを祈りながらお届けします。

【最終章】みんなの笑顔のために。その理念を胸に、仲間と次のステージへ

オリジナル商品を開発・販売する「愛着良品」の設立と同時にもう一つ、2023年は大きな変化がありました。「トップホールディングス」の設立です。

それまで、通信販売会社の「優生活」もタオル製造・販売会社の「トップファクトリー今治」も、トップ産業の子会社として事業を進めてきました。3社とも事業内容や設立背景が異なり、採用や研修も各社それぞれで行なっていたため、「生活文化創造企業を目指して」という理念の浸透度にも差がありました。

理念の根底には、「誰かに喜んでもらうために自分が努力する」という考え方があります。これを社内文化として根付かせるために、委員会活動や社内イベントにも力を入れてきました。しかし、自分が苦労してでも相手を優先するという考え方は、簡単に受け入れられるものではありません。

みんなが理念を深く理解して、お客様や取引先、仲間の笑顔のためという三方良しの心構えを同じ温度感で持てるチームを作るにはどうすればいいか。考えて出した答えが、ホールディングスの設立でした。全員がトップホールディングスの社員になり、同じ環境で「理念」を学んだ上で各事業会社に出向し、同じ想いを持ってそれぞれの持ち場で活躍してもらうのです。

またここには、次の経営者を育てるという目的もあります。これまでは私が事業を立ち上げ、みんなを引っ張ってきましたが、いよいよ社員一人ひとりが主体的に行動する「とき」がきました。社員に各事業会社の社長や役員を任せることで、彼らの経験の幅と視野が広がり、経営者としての器が育っていくはずです。

そして2023年10月、トップホールディングスを設立しました。一人ひとりの仕事と生活が大幅に変わることはありませんが、社内研修も各種イベントも、会社の枠を超えて社員が協力しながら企画・運営するため交流の機会が格段に増えました。これによって、社員間の距離は急速に近づき、全員が一つのチームであるという意識は確実に高まったと感じています。

信頼できる仲間が増え、強い絆が生まれたことで、今後はスピード感のある強いチームが育っていくと考えています。また、間接部門がトップホールディングスに集中し、各社がそれぞれの事業に専念できる環境が整ったことで、売上や利益、ジャッジのスピードへの責任感も高まります。人材の配置転換も適材適所で柔軟に行え、人の動きが活発化してグループシナジーも生まれやすくなると期待しています。

何より、これから私が望むのは、今一つに結集した社員たちが自分の意志とアイデアで新しい事業を創り、マーケットを開拓していくことです。根本にある理念は一つ。それさえ堅持していれば、どんな事業に挑戦しても構いません。挑戦する過程では、時に激しい逆風にあうこともあれば、時代の流れの中で事業が停滞することもあります。しかし、確かな理念があれば事業への熱い気持ちが冷めることはありません。

自分の仕事が新しい生活文化の創造につながり、その商品やサービスや想いを受け取る人が笑顔になる。お客様や取引先、仲間も喜ぶ。それを信じて、笑顔が日本中で増えるような未来をトップホールディングスの社員が切り拓いていってほしいと強く願っています。